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天狐あやかし秘譚
第64章 竜虎相搏(りゅうこそうはく)
「さて!これからのことなんですが!」
ばさっと大きな地図を広げて日暮が言う。長期に滞在することになるので、それ用のホテルを陰陽寮が手配している、ということだった。まずはそこに荷物を置いて、早速調査を開始しようということだった。

ホテルは交通の便を考えてだろうが、JR金沢駅近くのビジネスホテルが手配されていた。今までの出張ではなんとなく豪華なホテルや旅館ばかりを使っていたので、こういったホテルは珍しいが、日暮によると陰陽寮の出張ではこれが標準らしい。要は今までが土御門の配慮でイレギュラーだったわけだ。

部屋割りであるが、各人それぞれに個室が与えられていた。このチームのリーダーである日暮の部屋はミーティングルームを兼ねるということで少し広めの部屋が割り当てられているようだった。

「はあ・・・」

ホテルの部屋につくやいなや、ため息が出てしまう。

あ~疲れたなぁ・・・。

色々やらねばならないことがあるのだが、すぐに動けない。私は部屋のベッドにそのままコロンと寝転がり、今日のことを振り返っていた。

瀬良と敷島が綿貫亭まで迎えに来ると言ったのが6時半であったので、それまでに清香ちゃんと芝三郎を起こして朝食を摂り、準備をしなければならなかった。急な出張だったが、芝三郎は兄貴風を吹かせて『拙者に任せるでござる』と言っていたし、清香ちゃんは清香ちゃんで『まま大変・・・』と私の方を逆に気遣ってくれる。なんていい子たちなんだろうと、また親バカモードが炸裂しそうになる。
その後、何やかやとバタバタ準備して、みんなそろって東京駅へ。そこで御九里たちと合流し、清香ちゃんたちとバイバイして、8時の新幹線で一路金沢に移動・・・という結構な強行軍だったわけだ。

先程軽く昼食を摂ったせいで、お腹も満ちて急速に眠気に襲われる。

ああ・・・眠いぃ・・・。

だが、ここで眠るわけにはいかない。すぐに作戦会議、と言っていた気がする。荷解きを適当にしたら、13時には日暮の部屋兼ミーティングルームまで来い、ということだった。

重い体を引きずってミーティングルームに行くと、すでに九条と日暮がテーブルを囲んで座っていた。私のすぐ後にダリも入ってくる。彼は相変わらずこういったミーティングのたぐいは余り気乗りしないようだったが、一応参加するように私の方から言っておいたのだ。
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