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天狐あやかし秘譚
第64章 竜虎相搏(りゅうこそうはく)

あとは御九里だけ・・・?
そう思った矢先にドアが蹴り破られるように開く。
「っめえ!ざけんな九条!!なんで俺がお前の荷物まで上げなきゃいけねえんだ!!」
御九里が九条にものすごい剣幕で詰め寄るが、九条は涼しい顔をしている。
「ん?僕は『君の荷物、下に届いてるみたいだよ』って言っただけだが?」
「手前ぇのもあったじゃねえかよ!しかも俺のより多いじゃねえか!!!」
どうやら、二人は荷物を別便で送っていたらしい。それがフロントに届いていたということで、御九里はまんまと九条に取りに行かされた、ということのようだった。
「親切にありがとう・・・さすが戦闘バカの祓衆・・・体力が有り余ってるだけのことがありますね」
「んだと!コラぁあ!!」
「お二人とも!お静かに!!」
喧嘩になりそうな二人をビシッと日暮が押さえた。日暮は最年長であると同時に、この中で一番位階が高いということだった。なので、先程も言った通り、ここでのリーダーは日暮である。
「ミーティングを始めますよ」
おっとりした口調ではあるものの、有無を言わせない。この不思議な感じはなんとなく土門に通じるものがある。やはり占部というのはこういうキャラが多いのだろうか?
「まずは自己紹介といきましょう。作戦の際、チームワークは大事ですからね。特に浦原さんやダリさんは私達のことをよく知らないでしょうし」
そう切り出し、自分が口火を切る。
「私は占部衆におります日暮美澄(ひぐらしみすみ)です。浦原さんとは初めてですよね?どうか、『ミスリン』と呼んでくださいね?」
はあ・・・ミスリン・・・?
「得意な術式は土系ですね。占術、調査、IT技術等が専門です。戦闘は・・・当てにしないでくださいませ。ちなみに位階は『属の一位』です」
はえー・・・属の一位というと、御九里はもとより、あの宝生前よりも上、というわけだ。次は九条が声を上げる。
「僕の名前は九条水琉(くじょうみつる)。祭部に所属している。専門は特にないかなあ。大体なんでもできますよ。得意な術式は強いて言えば水・・・ですかね。位階はまだ『属の三位』ですね」
全体的に色素が薄い感じがハーフっぽいなと思わせる。前髪をくるりと指でいじる仕草が、なんとなくだが、ナルシスト風の印象を周囲に与える。
そう思った矢先にドアが蹴り破られるように開く。
「っめえ!ざけんな九条!!なんで俺がお前の荷物まで上げなきゃいけねえんだ!!」
御九里が九条にものすごい剣幕で詰め寄るが、九条は涼しい顔をしている。
「ん?僕は『君の荷物、下に届いてるみたいだよ』って言っただけだが?」
「手前ぇのもあったじゃねえかよ!しかも俺のより多いじゃねえか!!!」
どうやら、二人は荷物を別便で送っていたらしい。それがフロントに届いていたということで、御九里はまんまと九条に取りに行かされた、ということのようだった。
「親切にありがとう・・・さすが戦闘バカの祓衆・・・体力が有り余ってるだけのことがありますね」
「んだと!コラぁあ!!」
「お二人とも!お静かに!!」
喧嘩になりそうな二人をビシッと日暮が押さえた。日暮は最年長であると同時に、この中で一番位階が高いということだった。なので、先程も言った通り、ここでのリーダーは日暮である。
「ミーティングを始めますよ」
おっとりした口調ではあるものの、有無を言わせない。この不思議な感じはなんとなく土門に通じるものがある。やはり占部というのはこういうキャラが多いのだろうか?
「まずは自己紹介といきましょう。作戦の際、チームワークは大事ですからね。特に浦原さんやダリさんは私達のことをよく知らないでしょうし」
そう切り出し、自分が口火を切る。
「私は占部衆におります日暮美澄(ひぐらしみすみ)です。浦原さんとは初めてですよね?どうか、『ミスリン』と呼んでくださいね?」
はあ・・・ミスリン・・・?
「得意な術式は土系ですね。占術、調査、IT技術等が専門です。戦闘は・・・当てにしないでくださいませ。ちなみに位階は『属の一位』です」
はえー・・・属の一位というと、御九里はもとより、あの宝生前よりも上、というわけだ。次は九条が声を上げる。
「僕の名前は九条水琉(くじょうみつる)。祭部に所属している。専門は特にないかなあ。大体なんでもできますよ。得意な術式は強いて言えば水・・・ですかね。位階はまだ『属の三位』ですね」
全体的に色素が薄い感じがハーフっぽいなと思わせる。前髪をくるりと指でいじる仕草が、なんとなくだが、ナルシスト風の印象を周囲に与える。

