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天狐あやかし秘譚
第67章 危急存亡(ききゅうそんぼう)
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【危急存亡】非常に大きな危険が迫っていること。
あらゆることがめちゃくちゃになっちゃうか否かの、瀬戸際だよ、みたいな。
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陰陽寮本庁があるのは、皇居の中に位置する宮内庁の更に奥である。そこに至るには、大手門もしくは坂下門または、正門石橋から入る必要がある。

今回、京本は大手門にある詰め所にひょこひょことひとりでやってきて、自らの名を名乗ったそうだ。『陰陽寮につなげ』と偉そうに言っていた、と守衛は後に証言した。

現在、京本という男は、陰陽寮の1階にある調査室に連れてこられていた。
もちろん、ここに来るまでに身体捜検を十分に行い、不審物、特に『神宝』の類を保有していないかが調べられている。

男は身長165センチと、小柄、痩せぎすで目付きが悪かった。職員に対しては、『京本だ』と、名前を名乗るのみで、他に何も話そうとはしなかったようで、年齢等の素性は全く知れなかった。見た感じはおそらく20代後半か30代前半というところだろうと推測された。ただ、その歳の割には髪の毛が薄く、額が広いのが特徴だった。

なんで、ここに来たのか、と事情を聞いても、『新宿の街をフラフラしていたら、カダマシという男に頼まれただけだ』『マカルガエシノタマとやらを手に入れて持ってくれば金をやると言われた』と説明するのみで、詳しい事情もわからない。また、『まつろわぬ民』たちとの通信手段等についても特に知らされていないらしく、『ブツを手に入れたらこっちから接触するから』と言われただけだと、ぶっきらぼうに答えた。

実際、京本の持ち物は少なかった。
着ているのは白の長袖ワイシャツに、薄茶色のだぼっとしたカーゴパンツ、くたびれたスニーカーという具合だ。
持ち物としては、ハンカチ、小銭入れに少しのお金、それから金属の筒みたいなものを持っていた。この筒については『カダマシからもらった』ということで、手に入れた死返玉を保管するためのもの、だそうだ。

一応、簡単に陰陽寮で調べてはみたが、ステンレス製で中が魔法瓶のように二重構造になっているくらいで、特に呪力を帯びているわけでもなければ、特別な仕掛けがあるわけでもないようだった。
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