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天狐あやかし秘譚
第67章 危急存亡(ききゅうそんぼう)
「特に呪力等を発しているわけでもなく、一般人のようです。身元については、現在警視庁にも依頼して調べているところですが、とりあえず指紋などからの犯歴照会にはヒットしなかったようです」
左前が淡々と現在までに分かっていることを土御門に報告した。
執務室の机上で、土御門が顎に手をやり、思案げな顔をする。

「視界から外れるな、とか言っとったよな・・・。何らかの方法で、カダマシらと知覚を共有している・・・っちゅうことか?」
「おそらくはそうだろうと思いますが、手段が特定できません」

手段が特定できない以上、無闇な手出しはできない。もしかしたら、敵が保有している未知の神宝の力である可能性もあるからだ。

そして、同じ理由でダリ以外の陰陽師をつける事もできない。敵が共有している知覚情報がどの程度の力を持っているのか、もしかしたらかなりの広範囲までカバーしている可能性もある。こっそり後をつけたりして『ダリ以外にいるじゃないか!』と発見されることも十分懸念された。
京本の身体にどんな呪術が施されているかなどを、詳しく調べている時間もない。

綾音の命がかかっている以上、下手な賭けに出ることもできないのである。

「分かった・・・。ダリはんを出しまひょ」
超妖力を有するダリには本来不要なものであるが、万が一のことを考えて、陰陽寮の職員用のスマホを持たせることとする。それ以外にも、GPS付きの発信機を服の袖裏に縫い付けさせた。

これぐらいしか準備ができない。
もちろん、陰陽寮でも死返玉の場所は承知しているわけではない。敵がなぜダリを指名してきたのかわからないが、見つけることができると踏んでのことだろう。
あとは、賭けるしかない。

神に匹敵する力を持つという、あの妖狐の力に・・・

土御門は窓の外を見る。
新月の夜、真っ暗な空が、とても不吉に感じてしまい、慌てて首を振る。

「生きててくれよ・・・綾音はん・・・」
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