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異世界転移したら王子様付きのメイドになりました
第1章 魔法陣からこんにちは!?
「芽衣〜、私先に帰るね〜」
「ん、また明日〜」
「レポート頑張って」
「さんきゅ!ありがとね」
友達とも軽い別れを告げて、明日提出するレポート用紙が出来上がった頃には、既に日が暮れ夜になっていた。差し入れしてくれたすっかり冷めてしまったブラックコーヒーを煽り、私はレポートを鞄にしまい教室を後にする。
クラブ棟にはまだ人が残っているのだろう、ちらほらと明かりが漏れていた。今日の夕飯は何にするべきか、と悩んでいるとそれは音も無く突如現れた。
「へ!?な、何コレっ!?えええ〜〜〜!!?」
漫画やアニメでよく見る魔法陣が私を中心に広がり、淡い輝きを増しながら私はソレに一気に包まれた。そこからの記憶は、あるはずも無く。
あぁ、死ぬのかなぁなんて思いながら、私は深い闇の中へと吸い込まれて行った。
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「素晴らしい、成功だ!」
「あぁ、···これで殿下のお命も助かるだろう」
何?私の周りがやけに騒がしい。
ぼんやりした思考の中で目を開ければ、私は中世ヨーロッパな服装?軍服姿のイケオジ達に囲まれていた。
「···あの?」
「おお!素晴らしい。瞳も黒。コレはコレは···」
話が全く通じない。
私はとりあえず体を起こした。
「キミが私の世話係か··?·」
ため息を吐いた瞬間。
隣に居たのはものすごいイケメンだった。