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白昼夢
第6章 ピザ
乱れたワンピの裾を直すと私は玄関に行きピザ屋の配達の若い男性からピザを受け取った。
支払いを済ませてダイニングテーブルへとピザを運ぶ。
古川は何もなかったかのように椅子に腰かけていた。
ピザの箱を開けてくれる様だった。
「今、お皿持ってくるわね…」
「うん、ありがとう…」
古川は子供の様にそう言うのだった。
基本的に古川はとても優しくて、礼儀の正しい壮年だと私は感じていた。
ピザの箱を開けて見る。
「マジ、スゲー、旨そう…」
「夏限定らしいわよ、頂きましょうか?」
「そうだね…」
二人で『頂きます』というとピザを食べた。
古川は一口食べるとこう言ったのだ。
「ん、まっ!!マジで旨い!!」
「そうね、たまに食べると美味しいわね…」
「俺ってさ、余り食にもこだわりってないんだよな…」
「そうなの?自炊とかしないの?」
「しないっ!!」
古川は強調するかのようにそう答えた。
ピザはMサイズのパン生地のピザだった。
古川が食べながらこう言ってくる。