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許される条件
第12章 企み
そう。
何故か心が惹かれるのだ。

小学生の頃の。
優等生のクラス委員のように。

どんなイタズラ少年も。
憧れの目を向けてしまう。

「私、あんな澄ました女、大っ嫌い!」
「おいおいおい・・・」

空想を壊す甲高い声に、高木は気持ちのまま声を出した。

「カマトトぶってさぁ・・・」
女は自分の言葉に興奮しているのか、更に語気を強める。

「自分では何もしないくせに、
男が自然とかばってくれると思ってるのよ・・・」

過去に何かあったような口ぶりだ。

「あんな女、許せないっ・・・」
唇がワナワナと震えている。

キツイ口調に眉をひそめたが、ムラムラとどす黒い感情が湧きあがってきた。
高木も自分が口説いた時に、あっさり振った絵美に対して納得できないものがあったのだ。

こんなにモテル俺様が告白したのに、あっさりと振りやがって、と。
しかも、あんなに冴えない男の方を選ぶなんて、と。

「俺もさ、アイツみたいなヘタレは大嫌いさ」
「ふふっ・・そんな感じ、するぅ・・・」

サヤカはベッドから起き上がると、男の咥えるタバコを奪い、煙を吐いた。
そして、意味深な口調で囁いた。

「抱かせてあげようか・・・?」
「えぇっ・・・?」

意外な言葉に驚いた高木だったが、すぐに不敵な表情に変わった。

ニヤリと笑った口元を見て、サヤカも白い歯をこぼす。
タバコを吸い込むと、美味そうに煙を吐くのだった。
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