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School Girl
第12章 カノジョ
「うぅ……酷いよぉ………」
頬を膨らませて睨み付ける真希。
「そんなの真希が悪いんでしょぉっ」
真希の睨みなど意に介した素振りも見せず、女の娘はニヤニヤとした表情を見せていた。
「だからってぇ。美奈ちゃんも椅子蹴る事ないじゃぁんっ」
美奈の態度に、一段とぷくぅと頬を膨らませる真希。
そんな姿さえも、周りの男子から注目されている事など気付いてもいなかった。
「はいはい。アタシが悪うございましたよっと」
悪びれた風もなく、飄々とした態度を見せる美奈。
「も、もぉっ。美奈ちゃ……」
再び責め立てようと真希が口を開いた時だった。
「あのぉ………」
教室の扉から発せられた、控え目ながらも通る声がその言葉を遮った。
休み時間の教室に残っていたクラスメートの視線が向く。
それは真希も美奈も同様だった。
「あ、あの………」
一様に視線を向けられた事で、動揺を隠せない男子生徒。
その生徒は恐る恐ると口を開いた。
「え、えっと……霧島…先輩……いらっしゃいませんか………」