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School Girl
第12章 カノジョ
 
 その言葉に、バッとクラスメートの視線が真希に集まる。

 今度は真希が注目を浴びる番だった。

「ま、真希…?」

 統率の取れたクラスメートの動きに表情を引き攣らせながらも、真希はその男子の元へと向かう。

 歩く度にタプンタプンと揺れる豊満な胸と、翻る短いスカートから覗く脚に視線を浴びながらも机の間を進む。

「え、えっと………」

 真希が扉の傍に佇むと、途端に顔を仄かに赤らめて口籠もる男子。

 真希を先輩と呼ぶからには後輩である事は間違いなかった。

 細身の体躯に眼鏡を掛けた、男子としては比較的小柄な身長であるその男子。

 それでも、更に小柄な真希が端正な顔立ちで見上げてくると、思うように言葉が出てこない。

「えっとぉ。何か…用…かな?」

 痺れを切らした真希から声を掛ければ、意を決したように真希を見詰める後輩男子。

「こ、これっ」

 いきなり腕を伸ばしたと思えば、掴んでいた紙を真希に押し付けていた。

「ん? 何…これ?」

「じゃ、じゃあっ」

 疑問を口にした真希だったが、その後輩男子は回答する事も無く、足早に廊下を進んでいったのだった。
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