この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
School Girl
第12章 カノジョ
「……さて……行こうかな………」
薄く化粧を施した恭子。
微かに言葉を吐き出した口調は、いつもの間延びしたそれではなかった。
白いブラウスの上に薄手のジャケットを羽織ると、膝を露わにしたスカートの裾を翻した。
玄関扉の施錠を確認すると、人通りの少ない通りを靴音を鳴らして進む。
ウェーブの掛かった髪は風に靡き、撓わな胸を揺らしながら颯爽と歩く。
はたと人目を惹くその姿。
しかし、恭子のその姿を見詰める様な人影など皆無な寂れ具合。
…これも……真希ちゃんの為………
向かう駅への不便さ。
閑静な環境に不満は無いものの、買い物一つをするにも不便な地域。
前の土地から逃げるように、数ヶ月前に引っ越した時から覚悟を決めていたものの、何かと不便な新たな生活環境に対する不満は募るだけだった。
…それもこれも………
あの時の真希の姿を思い出すだけで、温和な恭子の中で怒りが込み上げてくる。
歩く速度も自然と速さを増す。
…悪い子には…お仕置きが必要なんだから…