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School Girl
第12章 カノジョ
 
「……さて……行こうかな………」

 薄く化粧を施した恭子。

 微かに言葉を吐き出した口調は、いつもの間延びしたそれではなかった。

 白いブラウスの上に薄手のジャケットを羽織ると、膝を露わにしたスカートの裾を翻した。

 玄関扉の施錠を確認すると、人通りの少ない通りを靴音を鳴らして進む。

 ウェーブの掛かった髪は風に靡き、撓わな胸を揺らしながら颯爽と歩く。

 はたと人目を惹くその姿。

 しかし、恭子のその姿を見詰める様な人影など皆無な寂れ具合。


…これも……真希ちゃんの為………


 向かう駅への不便さ。

 閑静な環境に不満は無いものの、買い物一つをするにも不便な地域。

 前の土地から逃げるように、数ヶ月前に引っ越した時から覚悟を決めていたものの、何かと不便な新たな生活環境に対する不満は募るだけだった。


…それもこれも………


 あの時の真希の姿を思い出すだけで、温和な恭子の中で怒りが込み上げてくる。

 歩く速度も自然と速さを増す。


…悪い子には…お仕置きが必要なんだから…
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