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School Girl
第12章 カノジョ
「…はぁ……しつこかった………」
僅かに息を切らせて、振り返る真希。
執拗に受け取った紙の内容を問い詰める美奈から逃げるように昇降口から飛び出した。
…確か…こっちだよねぇ…
美奈が追い掛ける事を諦めた事に安堵しながら、頭に内容を思い浮かべる。
グラウンドで部活に励む生徒たちの声を耳にしながら、真希は古びた校舎に沿って脚を進める。
半日授業でまだ日が高い昼下がり。
早くも部活に励む生徒以外は帰宅したのか、校舎の中からは喧騒が聞こえてこない。
植樹された木々の緑を視界に入れながら、真希は校舎の裏へと回っていった。
…まさか…真希が此処に来る事になるなんて………
人気の無い校舎裏。
しかし、それなりに整備もされ、木製のベンチも設置されている其処は、生徒の中では告白の聖地だとも噂されていた。
当然、その噂を耳にした事のある真希。
嫌でも、歩みを進める度にドキドキと鼓動が速まっていくのだった。