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School Girl
第12章 カノジョ
 
 紙を渡してきた男子と同じ眼鏡を掛けた小柄な男子。

 明らかに同一人物だった事に、真希はドキッと胸を弾ませる。


…や…やっぱり…このシチュは………
真希にも…春が………


 疑問が確信へと変わった瞬間、真希の鼓動は速さを増す。

 それでも、脚を止める事も無く進めば、ウロウロとしていた男子も真希の気配に気付き、その脚を止めて真希へと視線を向けた。

 ズバッと切り揃えられた前髪に後頭部を刈り上げた髪型。

 黒縁の丸い眼鏡に学ラン。

 改めて見てみれば、お世辞にもお洒落でカッコイイとは縁遠い男子。


…見た目じゃないよね……うん………


 ある程度の距離を置いて、男子を俯き気味に見遣りながら、真希は更に鼓動を速めていく。


…それに……素朴感があって…悪くないし………


 チラチラと視線を向けては、好印象へと変換されていく男子像。

 ジャリッ…と近寄る足音に、真希は肩をビクッと跳ね上げ体を強張らせた。

「あ…あの……」

「ひゃ…ひゃいっ………」

 男子としては高い声で言葉を掛けられ、真希は上擦った声で返事をしたのだった。
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