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School Girl
第15章 衝動
 
「何でこんな所に……」

 シンの呟きも最もだった。

 僅かとは言え、往来のある温水プール前の広場から、踏み慣らされた轍を抜けた場所に置かれた木製のベンチ。

 木々は開け、僅かに開かれた光の射し込む場所であっても、存在を知らなければ、利用する価値の無さそうなベンチ。

「はぁっ…はぁっ……。し、知らない…わよぉ………」

 単に闇雲に走り出しただけの真希。

 タンクトップに包まれたノーブラの胸を上下させながら、ベンチに背中を預けて言葉を吐き出した。

「こんなトコ……。一体…何で………」

 それでも疑問を口にしたシン。

「あ…あれじゃ…無いのぉ?」

 そんなシンの疑問に答えようと、真希は視界に飛び込んだ華奢な小屋を指差して再び口を開いた。

「倉庫みたいのあるからぁ……はあっ……使う人がこのベンチを休憩にぃ………」

 憶測を口に出す真希。

 その言葉は、未だに息を荒くさせた儘だった。

「真希さん…体力なさなさ…ですねぇ………」

 僅か数メートルしか走っていないにも拘わらず息も絶え絶えの真希に、シンは苦笑を浮かべながら近寄る。

「はぁっ…はぁっ………走るとかは…はぁっ…苦手…なのぉっ」

 気丈に口を開く真希は、ベンチに預けていた上体を起こして吐息も激しく声を荒げた。

 しかし、距離を詰めて傍に立っているシンを前に、その雰囲気は一変していった。

「でもぉ………」
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