この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
School Girl
第16章 陶酔
「もぉっ、何してるの霧島さぁんっ」
「相変わらず運動はダメダメだよねぇ」
女子が囃し立てる中、真希は小走りにボールを追い掛けていた。
「あははっ。ゴメンねぇ」
たいして済まなそうな雰囲気を醸し出す事も無く、転がっていくボールを追い掛ける。
ただでさえ体育が苦手な真希。
球技などは以ての外だった。
それでも、授業には真面目な真希。
ミスを繰り返しながらも、みんなと一緒にサッカーを続けていた。
「待て待てぇっ」
重い胸を弾ませて、僅かに額に汗を滲ませながらボールを追い掛ける。
待てと言った所で止まる訳も無いボールは、花壇へと当たって姿を向こうへと消した。
「あーあ………」
その光景に、真希は思わず立ち止まって嘆息する。
花壇の傍まで追い掛けて来た為に、校舎側へと転がったボールを拾うには、グルッと迂回をしなければならなかった。
「もぉ……めんどくさいなぁ………」
不満をブツブツ口にしながらもボールを見捨てる事も無く、脚は動き始めている真面目な真希。
グルッと迂回して、授業が行われている教室の傍を通った時だった。
「あっ………」
視界に飛び込んできた光景に、真希の脚が止まった。