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School Girl
第18章 揺らめき
 
 勝手の分からないシンの家のキッチンでありながら、それでも真希は料理を進めていく。

 そんな真希の姿をキッチン越しにチラチラと見て、落ち着かない様子でシンはソファーに腰を下ろしていた。

 真希の料理をする音と、テレビから流れる音だけの空間。

 ぱっと見に裸エプロンにも見える真希の姿にドギマギとしながらも、会話が無くともシンは何処と無く心地よさを覚えていた。

「あ……ねぇ、シンくぅん」

 不意に掛けられたアニメ声に顔を向ければ、若干困惑した真希の表情。

「どうしました?」

「あ、あのね。人参…切らしちゃったんだけど………」

 言いにくそうにする真希に、シンは笑みを浮かべて言葉を返した。

「じゃあ、ボク買いに行ってきますよ」

 即座にソファーから立ち上がり、外出の準備を始めるシン。

「あ、いや…。そこまでどうしても必要って訳じゃ………。それにもう遅いし………」

「でも、あれば真希さんの料理が美味しくなるなら行きますよ」

 申し訳なさげに言葉を吐き出す真希に、シンはたいした事ではないとばかりに準備を続ける。

 そんなシンの姿に胸をドキッと高鳴らせる真希。

 あっという間に準備を終えたシンの後を追おうとした時だった。

 ガチャッという音と同時に、リビングの扉が開かれた。
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