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第5章 母娘【ｵﾔｺ】

　
　心配そうな表情を見せ続ける恭子を前にしながら、嫌でも真希の頭の中を今日の出来事が駆け巡る。


…あれ…夢じゃ…ないよね……
……ホントに……紗耶………


　ソファーに接している尻がヒリヒリと痛む。

　紗耶に突き倒され、地面と擦れた痛みが現実だったと思い知らされる。


…友達だって…思ってたのに………
……それに………


　紗耶の男を盗ったなど、真希には全く身に覚えが無かった。

　謂れの無い言い掛かりを付けられた上に、胸は疎か、アソコまで写真を撮られた。

　最早、友達だった以前に、真希に憎しみを持つ存在になった紗耶。

　紗耶がどんな行動に出るのか分からない今、真希は表情を曇らせるしかなかった。