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School Girl
第5章 母娘【オヤコ】
 
「あ………」

 言葉がクチから勝手に飛び出してから、真希も気不味く表情を曇らせる。

 十代後半の真希。

 そして、恭子の歳は二十代後半だった。

 少なくとも、年齢差を見れば、恭子と真希が親子であるには不自然。

「…やっぱり…まだ………」

 真希の言葉にシャワーを片手に項垂れる恭子。

「あ…いや……あの…ね……」

 俯く恭子から洩れる陰鬱な雰囲気に、真希は戸惑うしかなかった。

 真希に『お母さん』と呼ばれる事を願っていた恭子。

 そんな恭子を、咄嗟に言葉を吐き出すと名前で呼んでしまう真希。

 恭子は真希の父親の再婚相手だった。

「やっぱり私……真希ちゃんのお母さんには………」

 普段は明るいだけに、一度沈むとなかなか浮上してこない恭子。

 どんどんと重い雰囲気を纏い始めていった。
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