この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
School Girl
第6章 白衣
「どうしました?」
白衣を着た男性医師に促されて、丸椅子に座った真希。
「あ…あの………」
四十代であろう医師の柔らかい表情を浮かべての問い掛けに、軽傷で来ている事を恥じて口籠もる。
言いにくそうに顔を顰めて俯き気味になる真希に、医師はカルテを一瞥して笑みを浮かべた。
「あぁ…もしかして……」
「………?」
柔らかい表情に小首を傾げる真希。
「…霧島……恭子さんの娘…さん?」
「えっ? そ…そう…ですけど………」
恭子の名前が不意に飛び出した事に戸惑う。
「やっぱり、そうですか。いやぁ……お母さん…ちょっとした切り傷とかでもいらっしゃってますからねぇ」
「………え…?」
「いつも絆創膏貼って終わりとかなんですよ」
…ちょ…ちょっとぉっ……
いつもそんな事でも来てるのおっ!?
恥ずかしさが込み上げて、ニコッと笑みを浮かべる医師の顔が見れない。
「あのお母さんの事ですから……。
真希さん……無理矢理連れて来られてません?」
クスッと笑みを溢した医師の言葉に、真希は俯いた儘で頷くしかなかった。