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School Girl
第6章 白衣
 
「どうしました?」

 白衣を着た男性医師に促されて、丸椅子に座った真希。

「あ…あの………」

 四十代であろう医師の柔らかい表情を浮かべての問い掛けに、軽傷で来ている事を恥じて口籠もる。

 言いにくそうに顔を顰めて俯き気味になる真希に、医師はカルテを一瞥して笑みを浮かべた。

「あぁ…もしかして……」

「………?」

 柔らかい表情に小首を傾げる真希。

「…霧島……恭子さんの娘…さん?」

「えっ? そ…そう…ですけど………」

 恭子の名前が不意に飛び出した事に戸惑う。

「やっぱり、そうですか。いやぁ……お母さん…ちょっとした切り傷とかでもいらっしゃってますからねぇ」

「………え…?」

「いつも絆創膏貼って終わりとかなんですよ」


…ちょ…ちょっとぉっ……
いつもそんな事でも来てるのおっ!?


 恥ずかしさが込み上げて、ニコッと笑みを浮かべる医師の顔が見れない。

「あのお母さんの事ですから……。
 真希さん……無理矢理連れて来られてません?」

 クスッと笑みを溢した医師の言葉に、真希は俯いた儘で頷くしかなかった。
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