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第9章 あの男が再び!!売れないホスト&ＡＶ男優ー涼ー

その瞬間、心結の体がピクッと跳ね、小さな頃の記憶が頭に浮かんだ。

誰かわからない可愛らしい雰囲気の男の子と、心結が幼稚園の遠足に出掛けている光景だった。


幼稚園の遠足の日ーーー

バスで出掛けた山の麓のハイキングに、出掛けた心結は、かくれんぼを楽しんでいる様子。

森の中に隠れていたものの、誰も見つけてくれない。

次第に辺りは静かになり、気づけば心結は森の奥深くに迷い込んでしまっていた。

「誰か……来ないかな……」

心細くなった心結は、辺りを見渡して不安が募り、涙が滲んでいく。

その時、遠くから小さな声が聞こえてきた。

「ココちゃん……どこ……？」

それは、可愛らしい男の子の声だった。

心結と同じ幼稚園に通う誰か。

彼も森の中を探し回っていたらしく、ようやく心結を見つけて駆け寄ってきたのだ。

「ココちゃん、ここにいたんだ？」

男の子は安堵の表情を浮かべたが、辺りを見回した彼も泣きそうな顔をしている。

「僕……もう戻れないかもしれない……」

心結はその姿を見て、何とかして元気づけたいと思って、笑顔を向けた。

「大丈夫、私がついてるからね？」

そう微笑んだものの、彼の涙にどうすればいいのかわからなかった心結は、ふと何かが思い浮かんだ。

「そうだ、元気が出るおまじないしてあげるね？」