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何度タイムリープしても……初恋の幼馴染は誰かに純潔を奪われる
第10章 3度目のタイムリープ~メンチカ編~

学校が終わった後、智樹は小さなライブハウスにいた。
今夜はメンズ地下アイドルのフェス。
5組のグループが出演し、狭い会場のチケットを完売にしたが、華やかなアイドルというには程遠い。
智樹が所属するZONEプリンスは後発の新人グループで、フェスでも前座扱いだ。
会場には、ステージから数えられる程の観客がいるだけ。
ワンドリンク制の為、カウンターでドリンクを貰う人の列の方が多いくらいだ。
そんな中で智樹は、小さなステージで歌って踊っていた。
ZONEの向こうで君が笑う
光と影が交わる場所で
届くはずのないこの声も
君に届けと叫んでいる
歓声もなく、客席は静まり返っている。
入り口から入ってきた客が、興味無さそうに見ている。
平日の夕方から夜にかけて行われるメンチカのフェスの前座とは、こういうもの。
今回のライブのトリは、先輩グループであるACEプリンス。その頃には会場が満員になり、盛大に盛り上がるのだが。
智樹は数曲のパフォーマンスが終わり、特典会の時間がやって来る。
1000円のチェキで1分間、アイドルと話せる特典だが、新人グループには人が集まらない。
新規客に無料でチェキ撮影を提供したり、バックハグや指ちゅーといった過激なサービスもある。
それでもなかなかファンを掴むのは難しい。
智樹が数人のファンにバックハグでのチェキを撮り終えた頃、心結がふらりと現れた。
「ファン少ないだろうから、応援に来たよ~? 一緒にチェキお願いしま~すっ」
心結は新規客で無料になるにもかかわらず、わざわざ1000円のチェキ券を差し出してくれた。
智樹の胸が少し温かくなる。
チェキの売上の3割が自分の収入になるのだから、本当にありがたい。
クラスメイトの来訪に少し緊張しながら、智樹は仕事に徹した。
「お姫様……どんなポーズで撮影させていただきましょうか?バックハグでよろしいですか?それとも、指ちゅーにいたしますか?」
すると、心結はいたずらっぽく微笑みながら答えた。
「指ちゅーでお願いしますっ」
今夜はメンズ地下アイドルのフェス。
5組のグループが出演し、狭い会場のチケットを完売にしたが、華やかなアイドルというには程遠い。
智樹が所属するZONEプリンスは後発の新人グループで、フェスでも前座扱いだ。
会場には、ステージから数えられる程の観客がいるだけ。
ワンドリンク制の為、カウンターでドリンクを貰う人の列の方が多いくらいだ。
そんな中で智樹は、小さなステージで歌って踊っていた。
ZONEの向こうで君が笑う
光と影が交わる場所で
届くはずのないこの声も
君に届けと叫んでいる
歓声もなく、客席は静まり返っている。
入り口から入ってきた客が、興味無さそうに見ている。
平日の夕方から夜にかけて行われるメンチカのフェスの前座とは、こういうもの。
今回のライブのトリは、先輩グループであるACEプリンス。その頃には会場が満員になり、盛大に盛り上がるのだが。
智樹は数曲のパフォーマンスが終わり、特典会の時間がやって来る。
1000円のチェキで1分間、アイドルと話せる特典だが、新人グループには人が集まらない。
新規客に無料でチェキ撮影を提供したり、バックハグや指ちゅーといった過激なサービスもある。
それでもなかなかファンを掴むのは難しい。
智樹が数人のファンにバックハグでのチェキを撮り終えた頃、心結がふらりと現れた。
「ファン少ないだろうから、応援に来たよ~? 一緒にチェキお願いしま~すっ」
心結は新規客で無料になるにもかかわらず、わざわざ1000円のチェキ券を差し出してくれた。
智樹の胸が少し温かくなる。
チェキの売上の3割が自分の収入になるのだから、本当にありがたい。
クラスメイトの来訪に少し緊張しながら、智樹は仕事に徹した。
「お姫様……どんなポーズで撮影させていただきましょうか?バックハグでよろしいですか?それとも、指ちゅーにいたしますか?」
すると、心結はいたずらっぽく微笑みながら答えた。
「指ちゅーでお願いしますっ」

