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何度タイムリープしても……初恋の幼馴染は誰かに純潔を奪われる
第10章 3度目のタイムリープ~メンチカ編~
智樹は肩の力を抜こうとしたが、その場に立つだけで全身が震える。

玲音が背後から後輩に命じていた内容が、頭の中でぐるぐると回っている。

「智樹、お前もわかってるよな?どうすれば売り上げが上がるか……」

確かに売り上げが全てなのはわかっている。

その為に、アイドルとして歌やダンスを披露して、ライブや店内でファンを増やし、チェキと1分間の会話を購入してもらう。

そこで乙女心を擽り、ポイントを貯めてもらう。

わかっているが、玲音の考え方は間違っている。

しかし、そんな事を言える雰囲気ではない。

智樹がこの世界線の記憶を探ると、玲音の言葉には、いつも圧迫感と威圧感が含まれていた。

売り上げを上げるためなら、玲音は後輩にセクハラ紛いの接客を強要し、逆らえば容赦なく暴力も振るう。

その恐怖が智樹の胸に、深く根付いているのだった。

「今接客してた姫って女、知ってるか?」

玲音が冷ややかに尋ねる。

智樹は首を横に振った。
今の姫は何者か全くわからないのだ。

「いえ……今日来てくれたお客様ですね?僕は会うの初めてです……」

「あの姫ってのは、そこそこ稼いでる地下アイドルの上客だ。
今日のうちに100ポイント、VIPルームのデートを買わせろ。分かったな?」

この世界線でも地下アイドルなんだ……

何か嫌な予感がする……

智樹は表情を曇らせたが、すぐに顔を引き締めて小さく頷いた。

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