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何度タイムリープしても……初恋の幼馴染は誰かに純潔を奪われる
第13章 月末の売り上げバトル
7月29日

月末の売り上げバトルは残り3日。
新曲、MV、SNSの広告を賭けた戦い。

そんなピリピリとした雰囲気のプリンスロード。

智樹は、いつものように控え室でVIPルームの使用状況を確認していた。

スケジュール表は、玲音と自分の名前でほぼ埋まっている。

その時、見慣れた名前が目に飛び込んできた。

「玲音…の相手が……ココ……?」

智樹の心が一瞬止まった。

心結はVIPルームのデート券を手に入れたのだ。

そうと知った瞬間、胸の奥に嫌な重みが生まれる。

ココが……

あの玲音とVIPルームに入るなんて……

大丈夫なのか……?

自然と心がざわつき、不安が頭をよぎる。

智樹が姫とVIPルームに入った時に、玲音から教わった特別なサービス。

姫の時以来、玲音の監視も指示もないが、女の子に対して500ポイントを貯めたい。と思わせる行為を自らも行ってきた。

綺麗な形ではなく、女の性欲を炙り出して、その日のうちに。または近い後日に、セックスの約束を暗にするという為のVIPルームのデート。

自分は他の人達にしてきたが、心結だけはそんな事をしてほしくない。と勝手ながら思った。

だが、この場で彼女を引き止める理由も勇気も持てず、智樹は無力さを噛みしめながら店内へと歩みを進めた。

ふと、何か視線を感じる。

懐かしくて、あたたかい、それでいて少し切ない感覚。

気になって店内を見渡してみると、心結が少し恥ずかしそうな笑顔で手を振っていた。
口元が小さく「ヤッホー」と言っているのがわかる。

智樹は思わず足を止め、心結の笑顔に答えるように微笑んだ、その瞬間、智樹の脳にこの世界線の記憶が蘇ってきた。


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