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何度タイムリープしても……初恋の幼馴染は誰かに純潔を奪われる
第13章 月末の売り上げバトル
プリンスロードのフロアーーー

智樹は心結からの視線の記憶を思い返していた。

その時、席にいた心結が玲音にそっと手を引かれて、VIPルームへと入って行くところだった。

微かに二人の声が智樹の耳に届く。

「……玲音さん、ここでデートできるなんて夢みたい……」

「お姫様……本当にありがとう。二人きりの幸せな時間にしようね?」

玲音が心結の手を引いて、VIPルームへの階段を上っていく。

心結は頬を紅潮させ、玲音を見上げていたのが印象的だった。

智樹の胸がざわめく。

「30分か……」

頭の中でカウントダウンするように心が焦り、嫉妬で胸が締めつけられる。

だが、そんな余韻に浸る間もなく、次の仕事に追われた。

フロアにいる間は、飲食物を運んで王子様として接客をしたり、女性ファンから次々と声がかかる。

「智樹くん、今日のVIPルーム、まだ空いてるかな?」

「2時間デートの次の予約って、どうなってますか?」

彼女たちはそれぞれポイント計算をしながら、ドリンクを注文し、智樹にあれこれと尋ねてくる。

そんなやり取りをしている智樹も、自分のVIPルームデートの時間が近づいていた。

慌ただしく準備を整え、心結への思いを振り払うようにして、ファンの元へとお迎えに行く。

そして優雅に膝をつくと、女性ファンの手を取って、目を真っ直ぐに見つめた。

「お姫様……お迎えに参りました。素敵なひとときを、僕と一緒に過ごしてください」

こうしてファンの女性と手を繋いで、VIPルームへ向かう智樹。

すると玲音と心結が、VIPルームから出てきて、席に戻る所で擦れ違った。

ココ……

どうだったんだろう……

玲音に寄り添うように歩く心結に、何かを期待して視線を送ったが、一度もこちらを振り向く事はなかった。



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