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第13章 月末の売り上げバトル

そんな思いを胸に店を出ると、待っていたのは姫だった。

「もーっ!!いつまで待たせるのーっ!!姫ちゃん一人で寂しかったよーっ!!」

姫のわがままな態度も、今はどこか懐かしく微笑ましい。

「すみません。ココの面接が終わったら一緒に帰ります。
僕、もうアイドルを辞めることにしたんです。一番お世話になった姫さんにだけは、お礼を言わなきゃ……」

「えっ？辞めるの？じゃあさ、これからは姫推しさんになってよ。『ふらっと#らぶ』ってグループで、世界一かわいいアイドルやってるからねっ？」

「わかりました。チェキ券、いっぱい買いますね」

「絶対にまた会いに来てね？約束の指切りしよ？」

「はい。約束します」

智樹が差し出した指に、姫は嬉しそうに小指を絡めると、軽く抱きついてきた。

「智樹くん、大好きっ!!それから、姫が最後に教えてあげることがあるから聞いて？」

姫は智樹の頭をそっと撫でて、優しく囁いた。

「女の子はね……命をかけて守ってあげなきゃダメだよ？お金で解決しようとしてもダメ……しっかり……」

その言葉が耳に響いた瞬間、智樹の何かの記憶がよみがえってきた。