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第18章 心結のグラビア撮影

心結はカメラの位置を確認してから、すーっと息を吸った。

心結が演技に入ったのが、レンズ越しに見ている智樹にも伝わってくる。

「大好きだけど……まだ……恥ずかしいよ……智樹くん……」

心結のアレンジを加えた演技を、目の当たりにした智樹の心は、一瞬で掴まれた。

幼馴染みの大好きなあの『心結』の記憶が一気によみがえってくる。

そんな写真を撮影していた智樹が涼を見ると、ニヤニヤと含みを持たした笑みを浮かべていた。

それを見た智樹は、涼に嫌悪感を感じる。

こいつ……

わざと俺の前で演技をさせたんだ……

そんなココを、俺がまた奪ってやるっていう挑戦状……

絶対にそうだ……

睨み付けるように見ている智樹を見た涼は、静かに立ち上がった。

「心結ちゃん。次はスカートも脱いで、レースのカーテンに包まれてみよっか？」

ショーツ１枚でレースのカーテンに包まれる。

胸は隠れるようにカメラには背を向けるのだろうが、これまで撮影してきた智樹は、その先の撮影の内容もわかっていた。

ショーツも脱いでセミヌード写真を撮る。である。

「あっ……も………もう……」

智樹はもう辞めませんか？と言おうとすると、コンコンと扉を叩く音が聞こえた。

「涼さん。お客様です。スプリングエンターテイメントの社長が来られてます」

部員の女子生徒が涼を呼びに来たのだ。

スプリングエンターテイメント。

有名俳優が何人もいる大手の芸能事務所である。

心結を芸能界に売り込む。その信憑性をもたらせるに十分な声が扉の外から聞こえてきた。

「もうそんな時間か。今日はここまでにしよう。智樹。心結ちゃんの事を後は頼んだよ」

涼はそう言って、扉を開けて出ていった。