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第19章 極秘の撮影現場

黒のランジェリーを手に取ると、その滑らかな感触が手の中に広がる。

「これを……着るんだ……」

ブラジャーのストラップを肩に通し、背中でホックを止める。普段の下着とは全く違う感触に、心結は息を呑んだ。

鏡に映った自分を見ると、そこにはこれまでの自分とは違う、少し大人びた姿があった。

これからカメラの前で、この姿で演技……

私のこんな姿が映画になるなんて……

思わず腕で胸元を隠しながら、顔を赤らめる。

だが次の瞬間、彼女は目を閉じて深呼吸した。

もう後には引けない……

私は……家族のために、このチャンスを掴まなきゃ……

ショーツも履き終え、ランジェリー姿の完成を鏡越しに確認する。

「これが……私の新しい一歩なんだ……」

小さく呟いたその声には、震えながらも覚悟が宿っていた。

するとコンコンと誰かが、控え室の扉をノックした。

「もう着替え終わった？入ってもいい？」

その声の主は、ひとみだった。

「はい。どうぞっ」