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第19章 極秘の撮影現場

「どう？着替え終わった？」

スクリーンの中では気高い存在感を放つひとみも、今はカジュアルな服装で、ゆったりとした雰囲気を纏っていた。

「あ……はい、終わりました。」

黒のランジェリー姿の心結は慌てて姿勢を正し、胸元を隠そうとする。

ひとみはそれを見て、クスリと笑った。

「そんなに恥ずかしがってちゃダメよ。濡れ場の演技っていうのは、堂々と自分を見せる覚悟が必要なんだから。あんたって子役上がり？」

「いえ……お芝居とかしたことないです……」

心結は視線を下げたまま答える。

「台詞はないけど、体の動きで全てを語るのよ。監督はリアルさを求めてる。映画を見てくれる人に、『この二人は本当にセックスしてるんじゃないか？』って思わせるくらいじゃないと通用しないから」

ひとみは鏡の前に立ち、自分の髪を整えながら、さらりと言葉を続ける。

「それに、相手役の龍一さん……あの人はね、かなりのプレイボーイだから……」

「プレイボーイ……？」

心結はプレイボーイの意味がわからず、眉を寄せながら首を傾げる。

ひとみは一瞬だけ目を丸くしたが、すぐに鼻で笑った。

「ああ、そっか。あんた、まだそういうの知らないのね。プレイボーイっていうのは、女たらしって事よ。龍一さんは業界でも有名でね。濡れ場のシーンでのテクニックが……まぁ、特別なのよ」

「特別……？」