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第20章 映画の試写会

スクリーンには、暗がりのベッドルームで、心結はカメラに背を向け、龍一との濡れ場の演技を会場に披露していた。

「フッ……いざとなると震えてるじゃないか。強い女を演じるのも楽じゃなさそうだな？」

龍一の声が響くと同時に、心結が演じる女刑事の背中に手が触れられる。

ホックを外す音が静寂の中で響き渡り、心結の何も纏わない背中がアップでスクリーンに映し出された。

「……やっと親の仇を取れるチャンスなんだから……さっさと抱いて……」

会場に流れている女刑事の声は、ひとみが後から吹き替えた台詞。

しかしそれに続く微かな吐息や震える息遣いは、紛れもなく心結のものだ。

龍一の手が心結の乳房を覆うように触れると、心結は小さく身をすくめ、背筋が震える。

「ほぉ……触れるだけで怯えるとはな。強気な顔をしてても、中身は所詮普通の女ってことか……」

心結の緊張が画面越しにも伝わるかのように、会場内に緊張が走った。

「……覚悟が決まらないのか？」

「……覚悟ならとっくにできてるわ……今日貴方に会った時からずっと……」

ひとみの低い声と心結の演技で、臨場感溢れるシーンに仕上がっていた。