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何度タイムリープしても……初恋の幼馴染は誰かに純潔を奪われる
第20章 映画の試写会
涼は少し呆れたように首を振りながら心結に視線を向けた。

「さて、邪魔者もいなくなったところで……話をしようか。
隆之社長からの伝言だよ。スイートルームで、君に興味を持ったテレビドラマのスタッフ達が待ってるそうだ。準主演の役を用意したいから、1度ゆっくり話がしたいってさ」

「準……主演……?」

願ってもいないテレビドラマの準主演。

毎週ドラマに出演できて、物語に重要な役をもらえるのは、願ってもないチャンスだ。

しかし涼は心結の肩をポンと叩いて、小さく呟く。

「まあ、分かるよな?」

「えっ………」

その言葉が持つ意味を悟りながらも、認めたくない気持ちの心結。

困惑している心結に、涼はさらに言葉を続けた。

「向こうも親切で声をかけてくれてるけど、それなりのお礼を期待してるかもしれない。俺は否定しないよ。それがこの業界だからさ」

涼の言葉を理解すると、息苦しさが増していく。
そんな心結に話を続けた。

「……でも、行くも行かないも心結次第だよ。芸能界で本気でやっていきたいなら行けばいい。ただ……無理だと思うなら、ここで諦めるのも自由だよ」

そう言いながら、涼はテーブルの上にカードキーを置いた。

そして、指先で軽く押し、心結の方へ滑らせる。

「俺は口出ししない。どっちを選ぶか決めるのも、大人になるってことさ。頑張れよ」

軽い口調でそう言い残すと、涼はその場を後にした。

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