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何度タイムリープしても……初恋の幼馴染は誰かに純潔を奪われる
第6章 2度目のタイムリープ
すると、愛が智樹の袖をチョンチョンと引っ張った。

「ねぇ?白の子見て?」

耳障りなほどの高音で話している白の衣装のメンバー。

「えーーーっ!?今日の衣装可愛い~って!?ありがと~。その服もカッコいいねっ」

「あの子は高音で話す時、嘘をついてるんだよ。あんなショッキングピンクの服、かっこいいわけないでしょ。」

思わず吹き出しそうになる智樹。

次に愛は赤の衣装のメンバーを指さした。

おじさんが赤の衣装の腰に手を回し、彼女は一瞬、嫌そうな顔を見せたものの、すぐに笑顔に切り替えて「もぉ~可愛い~」と言って軽く手を払っていた。

「見た?可愛いって言われて、おじさん喜んじゃってるけど、あの笑顔で言う『可愛い』の本音は『気持ち悪い』ってことなんだよ?」

智樹は驚いて愛の顔を見る。
愛は冷静な表情でアイドルたちのやり取りを観察していた。

「演技ってこと?」

「うん。みんな嘘の仮面を被ってる。そうしなきゃファンが離れちゃうからね」

そして、心結のブースに目を向けると、若い女性ファンと笑顔で会話していた。

「いつもありがとねっ!!来てくれて嬉しいよっ」

と心からの感謝を伝えている様子だった。

しかしすぐ後に来たおじさんが「好きな男のタイプは?」と聞くと、心結は一瞬微笑みを作り直した。

「心結のことを好きな人はねぇ~。みんな大好きなんですよぉ~」

と語尾を伸ばし、媚びたように答えていた事を指摘する愛。

「心結ちゃんが嘘をつく時は、いつも語尾を伸ばすんだよ?ほら見て?」

心結は、次の男のファンにこう言っていた。

「心結が一番幸せにしてあげるからねぇ~」

愛の言葉に、智樹の胸にモヤモヤが広がる。

「アイドルの特典会って、体のいいキャバクラだから気を付けてね?ほら順番来たよ?」

アイドルという華やかな世界の裏にある現実を、垣間見た気がした。

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