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羞恥のメス犬調教
第1章  
 その夜、北村先輩から電話があった。
「さっきは、いきなり変なことしゃべっちゃって、本当にごめん。もう、あのことは話さないから……」
先輩は、そう弁解した。しかし恭子は、
「ううん、いいの。先輩がそんな秘密を話してくれて、私とってもうれしかった。それに私、縛られても……、いいよ……。軽くだったら……」
そう口にしたのだ。
 恭子の突然の告白に、
「ほんとか? 恭子……。縛っても、いいのか……?」
驚いた口調で、先輩は聞き返した。
「先輩が興味あるんだったら、ちょっとぐらいいいかな、って思ったの。でも、痛くしないでね」
恭子は照れるように、笑いながら答えた。そして、また会う約束をしてから電話を切った。
 実は恭子自身、女性を縛って興奮する男がいる、という知識がなかったわけではなかった。
性に目覚め始めた中学生のころ、親の本棚を探して、そういう種類の雑誌を見つけたことがあったのだ。最初は、普通のアダルト雑誌だと思った。しかしその雑誌を開いてみると、女の人が、恥ずかしい格好のまま裸で縛られたり、ロウソクを垂らされたりしている写真が、たくさん掲載されていたのだ。
 そんな写真を見て最初は驚いた恭子も、その女性たちの感じ入っている表情を見て、だんだんと興味がわいて来た。その雑誌に載っていた小説を読んで、恭子はこれがSMという行為であり、このようなことをすることで、快感を得られる男女がいることを知ったのだった。
 やがてオナニーを覚えた恭子は、ただ男性を思い浮かべるのではなく、あの写真のシーンを自分に重ね合わせながら、オナニーするようになっていた。もちろん、そんなことは誰にも話したことはない。自分はもう、変態になってしまったのではないかと、不安になりながらもやはり、あのいやらしく、官能的なSMの世界が、恭子の脳裏を離れることはなかった。
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