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お題小説 カレイドスコープ
第1章 kaleidoscope
 21

「ねぇしてよ、抱いてよ、そして…
 わたしを確かめてみてよ」
 そう茉優が真剣な面持ちで囁いてきたのだ

「え?
 確かめてみてって?…」
 
「そ、それは…
 それはさぁ…
 もぉ、バカ、分かるでしょう?」

「あ、う、うん…」
 それは言わずもがなかった。

 確かめる…

 何を?…

「わたしね…
 あのね…
 8年前にね、夫が亡くなってからさ…」

 8年前…
 確か娘が9歳って言っていたから、生まれて直ぐに亡くなったのか?

「あ、うん…」

「あ、あのね…うんと…ね…」
 茉優がまた再び言い淀んてきた。

「うん、いいよ、分かったから…」
 だから俺はもう茉優に話させたくないから、口を塞ぐ意味でも、また抱き寄せ、慌ててキスをしようとしたのだが…
「あ、いや、聞いて」
 茉優は顔を振り、話しを続けてくる。

「あ、え?」

「あ、あのね…あのぉ…
 わたしね…
 実はね…
 それからさぁ…
 し、してないのよ…ね」

「え?」

 え、それからって…

「あ、うん、だからさぁ…
 夫が亡くなってからエッチをさぁ…
 あれからさぁ…」

 …してないのよ…

「えっ」
 衝撃の告白をしてきたのである。

 8年前に亡くなったって云っているから、そして病気で亡くなったって…

 そして娘さんが9歳だから…

 最低でも8年、それ以上してない…

 つまりはセックスをしていないってことか…

「あ…い、いや、そうなんだ…」
 俺にはそうとしか…
 応えようがなかった。

「うん、そうなのね…
 だから、だからさぁ…
 もしかしたらさぁ…」

 すると俺の顔を見つめ、恥ずかしそうに…

「もしかしたらさぁ…
 またさぁ、アソコがさぁ…」

 本当に恥ずかしそうだ…

「アソコがさぁ…
 もしかしたら塞がっちゃてるかもしれないじゃない?」

「え?」
 
 なんと、そんな言葉を…
 いや、冗談なのか?
 本気なのか?
 本当に恥ずかしそうな顔をして云ってきたのである。

「だ、たからさぁ…
 確かめてみないと……」
 
 あ、いや、本気みたい?…





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