この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
girlslove
第4章 【爪痕】

戻ったら真っ先に淳太と目が合った
すぐに逸らして作業に戻る
顔が火照ってるのも分かってる
「めっちゃ綺麗過ぎますよね、黒永さま」って後輩ちゃんも興奮しちゃうのもわかり過ぎる
動画も撮ったし、またバズっちゃうかな
せりさんの動画だけ一気に再生数伸びるんだよね
その動画を見せてきて「コレにしてください」って予約がたくさん入る
今日の予約は終了したが受け付け終了間近でカットのみのお客様が駆け込んで来た
私ももうすぐ手が空くので対応する
メンズカットは得意中の得意です
「マジでカット上手いっすね、此処にして良かった」とか言われると今後の活力になります
写真もなく口頭でのオーダーだったのでイメージしてる出来上がりにズレがなくて良かった
店内で写真も撮って本日の施術は終了
最後はやっぱり、淳太だけが残ってる
「おつかれ」
そう声を掛けられ着替えながら笑顔で「お疲れ様」と言ったつもりだ
さっきスマホは確認した
せりさんからマップが送られていて
タクシーアプリで店前に呼んだ直後だった
「行くのか?」
「え…?」
「今日、会うんだろ?」
「……うん、もう行くね、お疲れ様」
ベタに手首掴まないでよ
「なに?」って言わせないくらいの早さで
「行くなよ」とは…??
えっと、コレは……流石にヤバい状況?
お店に2人きり、行くなと言われて至近距離で見つめ合ってるってヤバくない?
「いやいやいや、何の真似よ」
「行かないで、碧唯…」
初めて見る顔つきでリアクションに困る
力も強い……どうしたの?淳太
「相手、まさかだけど今日来てた人?」
「……関係ないじゃん」
「関係あるよ?好きなんだから……碧唯の事」
「え…?」

