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girlslove
第1章 【一目惚れ】
「違った?」
「ち………違います」
天の邪鬼な私は心とは裏腹な事を言う
「ごめん」って謝る顔はどうしてそんな自信に満ち溢れているの?
違わないでしょ?って言われてるみたい
俯いてしまった私の肩を擦ってくる
「違ったか、早まった、もうしないから安心して」
淹れた珈琲を一口飲んで「美味しい」と言ってくれた
身体が熱い
悶々としてる
悟られないように精一杯微笑んだ
空気を変えようと動画の話をしたら
アップされてない編集前の動画を見せてくれたりと楽しい話に花が咲いた
私、やっぱりせりさんの声のトーンも好き
ずっと聴いていたい声っていうの?
耳障りが良いんだよ
寝る前とか聴いてたい
「ん?眠たい?」
「え?」
ヤバ、心地良くて寝そうになってた
頭なでなでされて「そろそろ帰るよ」って言うから思わず服の裾を掴んでしまった
「来週の日曜日行くよ」
次の来店日も決まったんだった
無意識に何か繋ぎ止めるものを手探りしちゃう
お店でも会えるのに
「あの、駅まで送ります」
「コラ、送って来た意味」
「で、でも……せりさんだって危ないじゃないですか」
「じゃ、駅に着くまで電話してようか?」
それだと安心でしょ?って顔でブーツ履いて行かないで……
黒のライダースジャケット、裾掴んで困らせちゃう私はどうすれば良いの
こんなの自分自身も初めてで説明がつかない
明らかに寂しそうな顔してたんだと思う
今日は怖い思いしたからずっと傍に居てください、なんて痴がましい事言えないよ
「出たらすぐに鍵閉めるんだよ?」ってまた心配してくれてる
だったら居てよ、と今にも吐き出しちゃいそう