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girlslove
第2章 【隠された想い】
うわ、二人乗りとか初めてだ
せりさんもヘルメットを被った後、私の手を取り前へと回す
わわ、これ、誰もが憧れるシチュエーション
後ろから抱き着いてるみたいだよね
同僚たちに見送られながら私たちはその場を走り去っていく
あ………私、同僚たちの前で普通に「せりさん」呼びしてた!
お客様に向かって下の名前で呼ぶとか、どれだけ親しくなってんだよって思われたかな
しかも、攫われちゃったよ……
あぁ………好き………
「とりあえず家で良いー?」
「はい!」
家?せりさんの…?ウソ、嬉しいけど……
「バイク、弟のなんだ」
仕事終わって私にメッセージ入れようとしたけど、会いに行った方が良くね?ってなったらしく、気が付いたら弟に電話してたみたい
「すぐにでも拉致りたかったから」とか少し強引気味なところも最大の沼要素
信号待ちではフルフェイス越しに横顔見せて手を握ってくれる
私の職場からだと、せりさんの家の方が近いみたい
着いた……
「おいで」と手を引かれマンション内に入っていく
慣れた手つきで鍵を開けて、いざ、せりさんの家の中へ
わ……良い匂い、あ、これ、せりさんからほんのり香る匂いだ
家の中いっぱいに広がっている
他人の家の匂いってよくあるけど、ダントツで一番良い匂い
結構片付いてる
モノトーンで統一されてる家具はせりさんっぽい
開けっ放しのウォークインクローゼットにはぎっしり服が掛けられている
お洒落さんだもんね
二人掛けソファーにテーブル
あっちにある扉は寝室かな…?
ソワソワしてると後ろからハグされた
「あっ……」
「ごめん、勝手に連れ去らって……順序とか色々あるんだろうけど、全部すっ飛ばして良い?」
「え…?」
「キス、したい」