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girlslove
第2章 【隠された想い】
「考え事してただけだから本当に酔ってないよ」
あんな一杯で酔うほど弱くないし
寧ろ帰って飲み直すくらいだわ
時々、こんな風に強引なところがあるんだよな
そういう自分に酔ってそうで引いてるんですけどね
2人きりになったら……
「え、なに?俺と2人で居るとこ見られたらマズい奴でも居るの?」
最近、探ってくるよね
チャラいくせに、もうその辺の女の子と遊んでなよ
引く手あまたでしょ
「居る……って言ったら?」
「挨拶してやるよ?俺はこいつの同期で、やましい気持ちは一切ありませーん、って」
「あっそ」
2人きりになった時、本気で一線引かないといけない相手だと思う
チャラいから手が早い、と勝手に思い込んでる
同期だからナイ、とは言い切れない…かもだから
自意識過剰だと言われても本当に淳太だけはナイ
もう私には男は無理………
そう思わせたのは、せりさんだよ………
電車のドア付近に立っていたら、いきなり頬を摘んできた
「お前、時々そんな顔するよな」
酔ってんのは淳太じゃね?
死んでも介抱しないよ?
え、私、酔っ払いに送られてる?
益々ヤバくない?
手を払い除けて「知らない」と答えた
それ全部、せりさんの事を考えてる時だから
いちいち言わないでよ
「はぁ〜何かムカつく」
「何がよ」
「俺は恋愛なんかに振り回されない仕事一筋だったお前が輝いて見えてたけどな〜」
「え、なに?恋愛するなって事?そんなの淳太に関係ないじゃん」
「可愛くないね〜」
ドアにもたれて首傾げちゃってさ、腕組みしてるのも腹が立つし
分かったような事言わないで
それでも電車が駅で停車するたびにドアから離してあげる、危ないから
「あれ、もしかして俺の方が酔ってる?」
「そうなんじゃない?でも絶対介抱しないよ?帰ってね?」
「うわ、鬼〜」