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girlslove
第3章 【告白】
静かな道を通り抜けていくつかの飲食店が軒を連ねている
夜遅くまで開いているBARや居酒屋
歩いている私たちからはまだ先にあるお店から出てきた人影に私の足は竦んでしまった
遠くからでもわかる
あのスタイル、あのヘアカラー、あの横顔
見間違えるわけがない
え………どうして?
せりさんの家の近くでもないのに
それに、隣の人は誰……?
その人もめちゃくちゃスタイルが良い
ロングストレートの艶髪揺らせて
「何で帰るのーまだ飲むー」とか言って
せりさんに抱き着いたりベタベタしたりして距離が近い
完全に立ち尽くす私に淳太も気付いて
「どうした?」なんて聞いてくるけど
目の前の光景に何故かショックを受けて
言葉が出て来ない
今すぐ目を逸らしたいのに固まって動けなくて
ずっと心の中で叫んでる
“私のせりさんに触らないで”
こんな事ならちゃんと告白しておけば良かった
曖昧な関係だから、堂々と私のですって言えないんだ
ダメだ、マイナスな事しか出て来ない
醜い嫉妬……行き場のない想い
気付いたら大粒の涙が頬を伝ってこぼれ落ちていた
そしたら視界が遮られ、淳太が盾となり見えないようにしてくれている
顔を上げたらすぐ近くに淳太の顔
「どうした?疲れた?そんなんじゃねぇよな?あんまよく分かんねぇけど泣かれるとビビる」
「うっ…うっ……ごめん」
隠してくれて有り難いと思った
足が竦んで動けなかったから
ヤバい、泣いてる場合じゃないのに
「カホ、酔い過ぎ」ってせりさんの声が聞こえてきて淳太越しに見てしまう
何で腰に手を回してるの?
横顔は私の時みたいに優しい
誰にでもその顔見せてるじゃん