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girlslove
第1章 【一目惚れ】
「あの、ありがとうございます」
やっとの事で声が出せた
黒のライダースジャケットがよく似合ってる
私が完全に一目惚れしちゃった人
黒永せりさん
彼女もお客様の一人なのに……
「しょっちゅうあるの?ああいう事」
真っ直ぐな視線に吸い込まれそう
もう一度会えた喜びとその他大勢の人たちに私も圧倒されている
「あぁ、この子たち練習生だから気にしないで?デカい男が居た方が役に立つでしょ?」と茶目っ気に笑う
練習生の中の男の子たちはガタイもデカく見た目は本当に強そう
「いつでも駆けつけますよ」って言ってくれて泣きそうになった
本当は怖かった、私一人じゃ絶対に負けてた
たまたま通りすがったんだろうか
この辺にスタジオでもあるのかな
「で、さっきみたいなのはしょっちゅうあるのかって聞いてるんだけど?」と顎クイしてきた!!
この美貌に免疫ないからまたもや心臓が飛び跳ねる
「えっと……今日が初めてです」
「いつもこの時間帯に終わるの?」
「大体は……シフトによりけり、ですけど」
って、こんな事も本当はスタッフ以外に教えたりしないんだけど、動揺してたって事で見逃して欲しい
この人は悪い人なんかじゃないって始めから絶対的な信頼があったのかも知れない
手を握られて初めて自分が震えてる事に気付いた
肩や背中を擦ってくれるとか、今は優しさがとても沁みる
「このまま家まで送らせて?心配だから」
「え?そんな、大丈夫です、タクシーで帰りますから」
「ダメ、送る」
「……はい」
不思議なほどに服従してしまう目力
今は素直に受け入れようと心が許してしまう
「じゃ、此処で解散ね」と練習生たちと別れてしまった
え…?2人きり…!?