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girlslove
第1章 【一目惚れ】





スマートにタクシーを止めて一緒に乗り込んだ
嘘でしょ……なに、この展開!!ってドキドキして顔見れない
「どちらまで?」と運転手さんに聞かれて慌てて住所近くの交差点を指定した
ゆっくり走り出した車内でシートベルトを着けてくれるだけのあの近距離感に頭がショートしそうになる


「ん……繋いどこうか?」と掌を見せてきた
あざといです……黒永せりさん
「だ…大丈夫です」って照れ隠しする私をジッと見て僅かな震えを見逃さなかった彼女は何も言わずに手を重ねてきた
窓の外を眺めながら、温かい体温に張り詰めていたものが溢れ出てしまう


助けが来なかったらって思うと怖い
一人でオーナーを呼びに行けてたかわからない
人通りも少なかった
腕を掴まれたところがまだ感触が残っててフラッシュバックする


次第に重ねていた手は肩を抱き寄せてくれていた
なんて居心地が良いんだろう
こんな風に誰かの温もりを感じるのも久しぶりだ
いつから彼氏居ないんだっけ
それすらすぐに思いつかないほど仕事に専念してたから……


温かくていつの間にかウトウトしてしまっていた
「ありがとうございました」って彼女の声がして飛び起きる
ヤバい、寝てた、あ、お金…っ
降りる時まで手を貸してくれて抱き寄せられる
さっきからずっとむちゃくちゃ良い匂いなんだよなぁ……


「あ、お金、幾らでしたか?」


「このマンション?」


「はい、あ、あの、ちゃんと歩けますから」


「そう?じゃ、此処で大丈夫かな?」


「は、はい……あの、でも」


「ちゃんと鍵閉めて寝るんだよ?」


「あの!お金!」


「忘れたー!バイバイ!」


「ええっ!?そんなのダメです!!」


ていうか、タクシー行っちゃったし、駅までも結構あるし、時間も時間だし、第一、お客様にお金出させて何してるの、私!!





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