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girlslove
第4章 【爪痕】





こんな大好きな人、ご機嫌取りさせて
何様のつもりだ
そもそもせりさんと付き合えた事自体
奇跡なんだから


髪が顔に掛かるくらい近付いてきたのは
額を合わせた為


「碧唯が好き……この気持ちに嘘は絶対にないから、許してください」


「わわっ」


顔が近過ぎてテンパる
私の顔を覗き込むせりさんはまだオドオドしてる
本当はとっくに機嫌直っているけど、
こんなせりさんがレア過ぎて終わるタイミングを逃してしまっている


「外でのイチャイチャ禁止です…」


「わ、わかった」


パッと離れたのは素直に聞いたから
再び歩こうとして
「手を繋ぐのもダメ?」って聞いてきたからもう降参しちゃいました
腕を絡ませて歩き出す


「すみません、私が我儘でヤキモチ妬きなだけでした」


何だ、そっか〜ってホッとしてくれると思ったのに、真剣な眼差しでこっちを見てるから、やり過ぎたんだと……


「まだ私の愛が足らなかったか、これからうんと伝えていくね」


せりさんは私の2個上だ
年上なのは事実だけど、こんな性格イケメンな人そうそう居ないって!


「イチャイチャ禁止だから、家に帰るまでこの顔つきだけど我慢して」と真面目そうに振る舞ってる
器用なんだか不器用なんだか
私もこの性格直さなきゃ
いつか愛想尽かされちゃう
大好きな故に、我儘ぶつけちゃって空回り
思いやりが大事なんだって前の恋愛で学んだはずなのに……


「ちゃんと決めてなかったけど、今日はどっちの家に帰る?」


どっちの家にも、お互いの荷物が置いてあってすぐに泊まれる
けど、私の職場から近いのは……


踵を上げて耳打ちするの


「早く愛し合いたいんじゃないの?」


せりさんにだけ聞こえる声で操る私は、紅くなる顔を見て満足しちゃう
耳まで紅い……可愛い




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