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女性のための犯され短編集
第14章 父親の友人に犯される

 夜の街は雨に濡れていた。

 ビルの隙間を縫うように降り注ぐ雨粒が、アスファルトにポツポツと小さな水溜まりを作っている。中学3年生の彼女は、傘を手に持つも、強風に煽られて使い物にならず、ずぶ濡れで駅前の雑居ビルに駆け込んだ。

「うわっ…最悪…」

 濡れた制服が身体に張り付き、冷たい水滴が首筋を伝って背中を這う。

 彼女は小さく震えながら、ビルの入り口で立ち尽くしていた。時計を見れば、もう夜の9時を回っている。塾の帰り道、こんな雨に降られるとは思ってもみなかった。

「……ん?」

 その時、ガラス扉の向こう、薄暗いロビーに人影が見えた。スーツ姿の男が、傘を畳みながらこちらを見ている。

 彼女は一瞬ドキリとしたが、その顔にどこか見覚えがあった。

「あれ…どうしたの?」

「……え、あ、もしかして」

 男は彼女の顔馴染みだった。

 父親の友人で、昔からよく家に遊びに来ていた。30代後半で、穏やかそうな笑顔が特徴的な優しげな男性。

 彼女は少しホッとして、緊張が解けた。

「びっくりしたよ、こんな時間にこんなところで会うなんて。ずぶ濡れじゃないか、大丈夫?」

「うん…ちょっと雨にやられちゃって…」

「僕の事務所、このビルの3階なんだ。今帰るところだったけど…上がっておいでよ。タオルくらいはあるからさ」

 彼女は一瞬迷った。でも、このまま駅まで歩くのは辛いし、知ってる人なら安心だよね…と自分に言い聞かせて、頷いた。

「うん、ありがとう…」

 エレベーターに乗り込むと、狭い空間に雨の匂いと彼のコロンの香りが混ざり合う。

 彼女は濡れた髪をかき上げながら、チラリと彼を見た。スーツの上着が少し濡れているけど、いつもと変わらない落ち着いた雰囲気だ。

「こんな時間まで塾?頑張ってるね」

「うん、受験近いから…」

「偉いなぁ。僕なんかその歳の頃は遊んでばっかりだったよ」

 彼が笑うと、エレベーターがカタンと止まり、3階に着き、事務所に入った。

 後から思えば──この時、男が持つ折りたたみ傘は濡れていたのに、その不自然さに気が付かず。


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