この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
 - 中
 - 大
 - テキストサイズ
 
女性のための犯され短編集
第19章 旅先で出会った男に犯される
じっとりと暑さがまとわりつく夏の夜。
彼女はひとり旅の途中で立ち寄った田舎町で、さすがに疲れ果てていた。
汗でシャツが肌に貼り付き、首筋に髪が絡まる。スマホの電波は途切れがちで、地図アプリも立ち上げられない。
そんな状態で人気(ヒトケ)のない通りを歩いていると、古民家風の建物から漏れる柔らかな灯りが目に入った。入口にさがる看板には「Bar」とだけ記されている。
深夜近く、周囲で光を放つのはここだけだった。
(バーには見えないけど大丈夫かな)
重い木製の引き戸を開けると、湿った外気とは異なるひんやりした空気が彼女を迎えた。
木の香りが漂う店内は意外にも広かった。木製のカウンターに客はいなかったが、奥の棚には確かにお酒が並んでいる。そこでバーテンダーらしき中年の男が一人、グラスを磨いていた。
彼女が入ると、彼は顔を上げ、「いらっしゃい」とそっけなく言った。
「何か…飲めますか?ここってバーで合ってますよね?」
「まずは軽いカクテルでいいか?」
男が返すと、彼女は頷き、荷物を足元に置いてスツールに腰掛けた。汗を拭いながら、ようやく休息できる場所に安堵した。
(たまに行くお店と全然雰囲気が違うけど、けっこうこういうのもオシャレかも)
出されたカクテルを片手にゆったりと過ごす。
──カタン
しばらくすると、階段から足音が響いた。

 作品検索
 しおりをはさむ
 姉妹サイトリンク 開く


