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女性のための犯され短編集
第1章 ストーカーに犯される
夜も遅い住宅街の一角で、仕事から帰宅した彼女は戸惑っていた。
「なんの騒ぎですか……!?」
「放火だよ、放火!幸いボヤで終わったらしいけどね」
自分がかりているアパートの前にパトカーが止まり、数人の警察官と、そして野次馬たちが集まっている。
何者かがアパートの壁に火をつけたというのだ。
上下に2軒ずつしかない小さなアパートだ。犯行時に住人はみんな出かけており、防犯カメラもないから当時の状況は不明らしく、火が大きくなる前に消されたので実害は少なかった。
でも……
(まさか、あのストーカーが……!?)
犯人に思い当たるふしがある彼女は
尋常じゃなく怯えていた。
実は彼女はこの数ヶ月、ストーカー被害にあっていたのだ。
帰り道、同じスピードて後ろを歩く足音が気になりだしたのが最初。熱を出して仕事を休んだ日には、飲み物や軽食がはいった袋が玄関にかけられていた。
最近では「愛してる」という内容の手紙がポストにはいっていたり、偽名を使った怪しいプレゼントも届くようになっていた。
そしていよいよ、ストーカーはわたしを殺そうとして……!?
(怖いっ……どうしたらいいの)
「君、大丈夫ですか?」
「…っ、お巡りさん」
震える彼女に声をかけたのは、通勤途中の交番でいつも顔を合わせる警察官の男だった。
いつも明るく挨拶してくれる、少し歳上の優しい警察官だ。知っている顔に会えて、彼女も少しだけ安心する。
「現場の調査は終わりました。明日、周囲の監視カメラを確認しますから、今夜はもう休んでください」
「……」
「こんな事があり不安だと思いますが……」
「お巡りさんっ、わたし、実は」
彼女はストーカー被害の件を彼に話した。
そして、とてもじゃないが怖くてアパートには帰れないということを…。