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女性のための犯され短編集
第3章 深夜の泥棒に犯される

 実家から離れてひとり暮らしの彼女には、彼氏もいなければ、ルームシェアしている友達も、夜中に部屋を徘徊するペットだっていない。

 ──なら、幽霊?

 でも幽霊なら、わざわざドアを開けてはいってくる?

 いったい、今、この部屋にいるのは……!?

 ヒタヒタヒタ...ピタッ

「……!?」

 足音が、自分が眠るベッドの真横で止まる。

 仰向けの彼女は恐怖で萎縮する顔を、なんとか堪えようとした。

 自分が起きているのがバレたら、おしまいだ。

 相手が幽霊だろうが人間だろうが、それだけは本能的にわかっていた。


 正体不明の侵入者はしばらく彼女を観察した後、ゆっくりとそこから離れて、部屋を徘徊し始める。

 床に置いていたバッグをガサガサと漁る音。
 家具の引き出しを開けて、中を探る音。

(これっ……泥棒……!?)

 しばらくそんな音が続く中、彼女は必死に寝たふりをしていた。

 ここまできたらもう、夢なんかじゃないだろう。

 ひとり暮らしを始めた時、親の忠告をきいて、セキュリティのちゃんとしたアパートを選ぶべきだった。

 家賃が安いからと、オートロックでもない古いアパートの1階に決めたせいで、こんなことになるなんて……。

 後悔がグルグルと頭を回る。

(こんなことで死にたくない……!)

 ……



(あれ……?音が)


「…………ハァ」


 度を超えた恐怖と緊張に包まれて息を潜めていると、……いつの間にか、泥棒の足音が聞こえなくなっていた。


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