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女性のための犯され短編集
第7章 巫女は鬼に犯される
はるか昔──とある山村の神社には、強い霊力を持つうら若き乙女がいた。
彼女は巫女(ミコ)姫。
モノノ怪や呪いのたぐいを祓い、清める者。
その噂は隣の村や、遠く都(ミヤコ)の貴族にまで広く知られる実力だった。
そして今日もまた、彼女を頼ってモノノ怪退治の依頼がきていた。
「──…鬼、で御座いますか?」
「さようで御座います。一年ほど前から、都の北東にそびえる蓬霊山(ホウレイヤマ)の山頂に恐ろしい鬼が住みつき…人間をさらっては喰ろうておるのです」
「人喰い鬼ですか?何故これまで放っておかれたのです?」
「これまでも多くの祈祷師(キトウシ)や法師を向かわせたが…ひとりも帰ってこなかったのです」
「…それはお困りでしょう。わかりました。わたしがお受け致します」
命の危険もあるモノノ怪退治だが、彼女はこれまでもそういった依頼を受けてきた。
(人喰い鬼とは……許せませんわ)
遣いの者とともに、巫女は蓬霊山に向けて村を出発した。