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女性のための犯され短編集
第1章 ストーカーに犯される
同時に、もう逃げられないと思い知らされて、絶望の涙がポロポロと零れた。
「ああ……泣かないで」
ファイルを大事そうに棚におさめた男が、泣く彼女を抱きしめた。
「驚かせましたよね、ごめんなさい。でも俺は最高に幸せなんだ。愛する君にやっとこうして触れられる…」
「‥ッッ…やだ…!‥離してっ‥離し て」
ストーカーに触れられた嫌悪に、思わず身体をひねり抵抗する。しかし男の腕は振り払えず、彼女はいとも簡単に抱えられてしまった。
「嫌だぁ…っ…!」
抱えられた彼女が運ばれたのはベッドの上。
男がのしかかり、逃げようとする仰向けの身体を押さえ付ける。
「今日は記念日だね」
次の瞬間、涙と恐怖でユラユラする視界いっぱいに男の顔が迫った。そして彼女は唇を奪われる。
キスをされたのだと一拍おいて理解したが、うっとりできる状況じゃない。すぐに首をひねって抵抗して、逃げ出そうともがいていた。
しかし彼女はぬけだせない。比較的細身の体躯でありながら男の力は強かった。
「…ひっ‥いや!‥許して」
涙を流して懇願する。だが男はクスリと微笑んで、彼女に向ける目をよけいに熱くさせた。
「可愛い…可愛い…!だめだ、我慢できない」
仕事着のスーツは剥ぎ取られ、シャツは無理やり引きちぎられたからボタンが飛んだ。
ブチブチブチッ!
「きゃあああ……!」
「ごめん…破いてしまって。今度新しい服を買いに行こうね」
男の口調が、恋人を相手にするような語り口に変わっているのが恐ろしい。
丸見えにされた黒色のブラジャーをうっとりと見つめて、胸元に顔を埋めてくる。
「あああ……柔らかい……それにちょっと汗ばんでるね。今日は少し蒸し暑かったからかな……」
スウーっと息を吸って匂いをかがれた。背筋が寒くなる。
抵抗したら、機嫌をそこねたら、殺されるかもしれない。でも……!
「はぁ……イイ匂い……シャワー浴びる前でよかったよ。洗い流されたら……勿体ない……」
「ひっ…!や、いや、…許し て…やめて、嗅がない、でぇ……!」
「何故だい?もっと嗅ぎたいし……君のぜんぶ、舐めたい」
恐怖に続く大きな羞恥に襲われて、もう彼女はどうすればいいのかわからなくなった。