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女性のための犯され短編集
第9章 美容師に犯される
カランカラン
店先で傘を閉じ、スタイリッシュな色ガラスの扉を開ける。ドアベルが入店を伝えると、受付に立つ男がにっこりと笑みを浮かべた。
「いらっしゃいませ」
この美容院のオーナー兼スタイリストの彼は、常連客である女性から荷物を受け取って席に案内する。
今は閉店前ということもあり、客は彼女だけだった。
従業員は、オーナーともうひとり若い青年の二人だけ。若いほうは奥で掃除中だ。
「今日もお仕事お疲れ様です」
「はい。すみません、いつもいつも、閉店間際で」
「いやとんでもないですよ。こうして来てもらえるのが嬉しいので」
外は大雨だ。服の袖が濡れているのに気付いた美容師が、タオルを差し出しながら、鏡ごしに彼女と目を合わせる。
そしてセミロングの髪をひと房とって、穏やかに尋ねた。
「今日は何にしますか?」
「カットと…トリートメントもお願いします。伸びて毛先が外ハネするようになっちゃったので、このくらい短くしたいです」
鏡ごしとはいえじっと見つめられて、彼女は少しドキリとする。それを悟られまいと、仕事でつちかわれた営業スマイルでニコニコしておいた。