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女性のための犯され短編集
第9章 美容師に犯される

(ああ…やっぱり癒されるなぁ)

 初めてここでカットをお願いして、そろそろ2年経つだろうか。

 それまでいろんな美容院を転々としていたが、ここは遅い時間まで営業しているのと、なによりオーナー美容師の癒し効果が絶大で、まんまと常連になってしまった。

 オンの時はいくらでも喋れる彼女だが、オフの時はどちらかというと無口で、とくに美容院なんてそっとして欲しいタイプ。その点、この人の話は押し付けがましさがなく、無言の気まずさもなく、ドンピシャリなのだ。

「ではまずシャンプー台にどうぞ」

「はーい」

 クルリと回った椅子からおりて、シャンプー台に向かう。一段上がったところに二台のシャンプー台があって、照明も暗く落ち着いた雰囲気。

 横になると顔にタオルをかけてくれる。そして髪にお湯をかけられた。


 ザザーー………


(あったかい……)

 ふぅ……と溜め息がでる。

「熱くはないですか?」

「はい……ちょうどいい」

 頭皮までしっかり濡らした後、シャカシャカシャカっとシャンプーが始まった。

 どうして他人(ヒト)に頭を洗ってもらうのって、こんなに心地いいんだろう…。男性の長い指が濡れた髪をとかし、痒いところを優しくかいてくれる。

 うっとりとしていると、いつの間にかシャンプーが終わっていてお湯で洗い流された。

 次はトリートメントかな…

 そう思っていると、突然、首の後ろを指で押された。

「─‥あっ//」

「…っ…すみません、痛かったですね?」

「……いえ、ちょっと驚いただけです」

 グリっと不意打ちで驚いたのもあり、高い声が出てしまったのが恥ずかしかった。

「少し凝っているようなので、マッサージをサービスさせてください」

「え?でも、そんな申し訳ないというか」

「他のお客さまもいらっしゃいませんし問題ありません。お時間は大丈夫ですか?」

「時間は…はい、とくに予定はないので大丈夫です」

 軽く押しきられた感じで、まさかのマッサージがサービスとなる。


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