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異世界転生したら王子に溺愛されて困っています·͜· ♡
第3章 どうやら、人格が違うようです(困)
「あぁ、よろしく頼もう」
「はっ。ブランシュ様、失礼致します」
「えぇ、お願いね」
私は座ったまま、現代医学の様に眼球の様子を見たり、聴力や顎の横の首を触り、心音に異常が無いかを調べた。
「特に問題はなさそうですな···。しかしまだ体が動くようになったばかり。些細な違和感を一瞬でも感じましたら、直ちにお呼びくださいませ。それでは、私はこれにて失礼致します」
「分かりました。ありがとう」
パタンと閉じられる扉を、宮廷医の姿が見えなくなるまで背中を見送った。
姫様と言う立場上、相手に簡単に頭を下げてはならない。
でも、それもどうなんだろう。私はここの宮廷医達の作ってくれた薬のおかげで体の痛みが引いたし、動けるようになったのだ。
ありがとう、だけで終わらせてしまうのは···。
感謝が足りていない気がする。
私は、上半身だけで申し訳無いと思いつつ、宮廷医に向かって頭を下げた。