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異世界転生したら王子に溺愛されて困っています·͜· ♡
第4章 覚悟を決めます
宮廷医を見送った後、私は何故か生温かい空気が部屋に満たせれている事に気がついた。
殿下はポンポンと頭を撫でてくれるし、お兄様は感激されたようにまた涙を拭っている。
メイドと言えば微笑ましそうに私達を見ている。
そうしてその空気をぶち壊したのは、私のお腹の虫の音だった。
──ぐ~···。
「ぶっ···」
吹き出したのは、お兄様。
「お兄様、わたくしが1番恥ずかしい思いをしていますのに、酷いですわ」
「いや、すまない。ただのはずみで···お前が元気になったみたいで、良かったよ」
「もう。お兄様ったら、調子がよろしすぎるのではありませんこと?」
「ふふ。2週間も眠っていたんだ。体調も良くなった今、お腹が空くのも無理もないさ。ミーア」
「はい」
「ブランシュに消化の良い食事を準備する様に、料理長に伝えてくれ」
「承知致しました直ちに」
どうやら可愛いメイドの子はミーアと言うらしい。私達に丁寧にお辞儀をした後、足早に部屋を退室して行った。
(2週間も寝ていたんだ···体が痛くなるはずだわ)
「さて、レイ。ブランシュの事は"私が"面倒を見るので、君は執務に戻って構わないよ」
ふふふ、と殿下から圧を感じるのは気のせいだろうか。
「いえいえ殿下、私めの妹のお世話を"殿下"にさせてしまうなど、公爵家の名がガタ落ちする危険せがありますので、ここは"兄"である私が引き受けましょう」
これはこれは···両者1歩も譲る気無しである。